ゆるキャン△のOPテーマ「SHINY DAYS」を聴いて、ジャクソン5の「I Want You Back」を思い浮かべる人も多いかと思います。
ゆるキャン△「SHINY DAYS」
The Jackson 5 「I Want You Back」
こうして聴いてみると、たしかに雰囲気がよく似ていますね。
というわけで、今回は2つの曲がなぜ似ているのか&どこが似ているのかをみていきます。
ゆるキャン△のOPとジャクソン5の曲はなぜ似ているのか
実はゆるキャン△のOP「SHINY DAYS」は、もともとジャクソン5を意識してつくられたのだそう。
この曲を歌うシンガーの亜咲花さんは、インタビューで次のように答えています。
ディレクターがジャクソン5さんをリスペクト、オマージュして楽曲を作ったと言っていました
リスペクト、オマージュだそうです。
つまり、「尊敬するジャクソン5のような曲をつくってみた」「ジャクソン5の影響を受けた作品だ」ということですね。
2つの曲が似ている理由はここにありました。
ぶっちゃけた話、どこが似ているのか
では、もう少しつっこんでみて、どのあたりが似ているのか、どの部分がオマージュになっているのかをみていきましょう。
まずはメロディとアレンジの基礎知識
こうした点を考えるときに、「メロディ」と「編曲(アレンジ)」について知っておくとわかりやすくなります。
メロディ
「メロディ」とは、曲の中でいちばん耳に残る部分のことをいいます。一般にはボーカル部分を指すことが多く、主旋律ともいいます。
アレンジ(編曲)
「アレンジ(編曲)」は、主に「伴奏」や「曲調」を指します。
いわゆる「曲の雰囲気」を作る部分で、曲がどんな調子で展開していくかや曲のリズム、使用する楽器など、伴奏全般の部分を担当します。
メロディとアレンジ(編曲)の関係
アレンジ(編曲)が曲全体の雰囲気をつくるので、次のようなことが起こります。
- 同じメロディでも、アレンジ(編曲)によって違うような曲に聴こえる
- 違うメロディでも、アレンジ(編曲)によって同じような曲に聴こえる
「オマージュ」「リスペクト」でよく使われているのは、「2」です。
メロディは違うけれどアレンジ(編曲)を似せているというパターンです。曲の雰囲気が似てくるので、わたしたちが「似てる」と感じやすいのがこれです。
ゆるキャン△のOPテーマ「SHINY DAYS」もこれにあたります。
あらためて、ゆるキャン△「SHINY DAYS」を聴いてみる
「違うメロディでも、アレンジ(編曲)によって同じような曲に聴こえる」という天を踏まえて、もう一度、ゆるキャン△のOPを聴いてみましょう。
注意してメロディ(ボーカルパート)だけを聴くと、ジャクソン5の「I Want You Back」とはさほど似ていないことがわかります。
そう、この場合はアレンジ(編曲)のほうで似せているんですね。
とはいえ、ジャクソン5の曲は特長がありすぎるので、「リスペクト」「オマージュ」と公言されていても気になる方が多いのもわかりますね。
オマージュはどこまでならOK?
アニメに限らず、邦楽には「洋楽のアレンジ(編曲)」と似ている曲がたくさんあります。
楽曲の類似性は、どこまでセーフなのかはあいまいですが、メロディが似ていると問題になりやすい傾向があります。
反対に、アレンジ(編曲)に関してはメロディほど問題になりにくい傾向があります。
グレーゾーン
・・・が、あまりに似ていると気になってしまうのは事実。
記憶に新しいところでは、日産のCMが「H ZETTRIO」の曲に酷似していた件があります。
H ZETTRIO
真相は闇の中ですが、邦楽というジャンル自体がアレンジ(編曲)を参考に育ってきた面もあり、着地点の難しい問題でもあります。
まとめ
今回は、ゆるキャン△のOP「SHINY DAYS」とジャクソン5の「I Want You Back」が似ている件についてでした。
こうした曲作りの秘密を知るのも面白いものですね。
■ゆるキャン△、Amazonのプライムビデオでもみられます。