小説のジャンルの1つに「警察小説」があります。
名前だけ聞くと固くて難しそうなイメージがありますが、実はその逆。読んでみると、とっつきやすくてすごく面白いジャンルなんですよ。
というわけで、今回は「警察小説」について、おすすめ作品とあわせて紹介していきます。
警察小説とは
まず最初に「警察小説」とは何かからみていきましょう。
ざっくりいうと、警察小説とはこんな小説のことをいいます。
警察官や刑事が主人公、またはそれに近い立場にいる小説
舞台やテーマが「警察」の小説
昨今は、警察組織や捜査についてリアリティがあるものが多い
たとえば、警察が誘拐事件の犯人を追いかけつかまえるものも「警察小説」ですし、未解決事件に挑むなんて作品もあれば、社会問題や警察内部に踏み込んだものもあります。
基本は「事件の解決」にむけてドキドキする展開ですが、人としての生き方を考えさせられる作品が多いのも特長ですよ
警察小説の例とおすすめ作品
では、警察小説の例とおすすめ作品をみてみましょう。
読みやすさと面白さを兼ね備えた作品に、今野敏の「隠蔽捜査」シリーズがあります。
警察庁のキャリア官僚を主人公に、事件や警察内部の軋轢、そして家族との関係など、警察小説の醍醐味がつまった作品です。
かわりゆく時代と、警官としての生き様を描いた作品に、佐々木譲「警官の血」があります。
三代にわたる警察官の物語です。時代ごとの警察組織とのかかわりの中で、警察とは・警官とは、そして人としてどう生きるかを考えさせられる作品です。
海外作品の作品になりますが、スチュアート・ウッズの「警察署長」という作品があります。
警察小説の最高峰として、長く読み続けられている作品です。上で紹介した「警官の血」の元ネタという声もあります。
警察小説というジャンルではずせないのが、横山秀夫作品です。骨太で濃密、そしてしんみりと心にくる作品が多くあります。
64(ロクヨン)は「D県警シリーズ」の4作目にあたる作品です。シリーズものですが、単独で読んでも大丈夫。個人的にイチオシの作品です。
そしておしまいは、雫井 脩介の「犯人に告ぐ」です。
劇場型犯罪ならぬ「劇場型捜査」で犯人に迫っていく―メディアとの関係、警察内部との軋轢、様々な要素が絡んだ警察小説の傑作です。
今回紹介した中では、最も読みやすく、ふだん警察小説を読まない方でもすんなりと入り込むことができます。
まとめ
今回は、「警察小説はどんな小説なのか」をおすすめ作品とあわせて紹介しました。
ちなみに警察小説は「ミステリー小説」の中の一部になります。
社会派ミステリーと重なる部分もあるため、「ここからここまでが警察小説」という明確な区切りはありません。
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