RPGツクールは、プログラムの専門知識がなくてもゲームを制作できるソフトです。
が、実際にゲームを完成させようと思うと、やることがいっぱいあります。それが原因で挫折する人も多いと聞きます。
そこで今回は、RPGツクールMZでゲームを完成させるまでに大変だったことを書いてみます。
どれもたのしい作業ではありますが、手間がかかる部分でもあります。
私の作り方
まずは私のゲームの作り方からざっと紹介します。
くわしくは上の記事で解説していますが、基本的な流れとしては、次の通りです。
- シンプルでいいので、先にゴールまで作ってしまう
- 最初から設定やストーリーをつくりこまない
- あとから道中や設定を充実させていく
このようにするとゴールまでの流れが最初にできるので、途中で挫折しにくくなり、ゲームが完成しやすくなります。
……が、だからといって作業量が減るわけではなく、1本のゲームを完成させるまでにはやることがいろいろあります。
というわけで、私がゲームを完成させるまでに大変だったことを順不同で書いていきます。
ゲーム完成させるまでに大変だった作業
CG、立ち絵の制作
RPGツクールは、イベントシーンでCGや立ち絵を表示したりすることができます。
これらを自分で制作する場合は、もちろん自分で描く必要があります。非常に楽しい作業ですが、枚数が多いとなかなか大変です。
また、ゲーム画面の縦横比によっては、構図もけっこうな悩みどころ。
いかに見栄えよく画面に入るようにするか考えたり、メッセージウインドウとのバランスを考えたりなど、いろいろと考える点があります。
ドット絵の制作
RPGツクールは、キャラクターの歩行グラフィックを自作のものにすることができます。
たとえば、こちらはRPGツクールMZにデフォルトで入っているものの1つ。
自作のキャラクターを歩かせたいときは、これだけのドット絵を自作する必要があります。が、この作業が実に大変です。
まずは、ドット数の多さ。
私はドット絵が好きでちょこちょこ描いたりもするのですが、ツクールMZのドット絵はドット数がかなり多く、同じように描こうと思うと相当に大変です。
歩かせるときは、1キャラにつき12体分描く必要があるので、かなり時間がかかりました。
また、デザイン的な難しさもあります。
全部のキャラクターのドット絵を自分で描くのならまだいいのですが、デフォルトで入っているキャラなどと併用する場合は、ある程度、頭身のバランスを近づける必要があります。
自分の絵柄と違うバランスだと特にですが、感覚がなかなかつかめないんですね。
個人的には、ツクールMZにデフォルトで入っている歩行グラフィックのデザインは「けっこう独特かな……」という印象があります。
一見すると、オーソドックスな印象を受けるのですが、実際に近いバランスでドット絵を描いてみると、かなり癖があるように感じました。
歩行グラフィックは実際に動かしてみないと、分からない部分もあるので、調整にもけっこう時間がかかりました。
イベント調整や演出
RPGツクールでは、ゲーム中で発生するイベントを自分で組んでいきます。
たとえば、この場所にきたら戦闘が発生する、この部屋に入ったら会話イベントがはじまるなど、こうしたイベントを自分で組んでいきます。
あるイベントを発生させると、次のイベントが発生するという「フラグを立てる」なんてのもそうですね。
また、イベント中は、音楽や効果音の入るタイミングや、キャラの行動など、様々な演出をすることができます。
これらは作っていてとても面白い作業なのですが、難しいのはバランスです。
「作者としてはとことん演出したいけれど、プレイする人からしたらどうなんだろう?」という疑問が常につきまとうのですね。
プレイする人に「小芝居はいいから、さっさとキャラを動かさせてくれよ!」と思われないようにどうするか。この点は非常に考えます。
方法としては
- そのイベントに余分な部分(削れる部分)はないのか
- あるいはテンポで補うことはできるのか
- またはそう感じさせない演出があるのではないか
- そもそも、そのイベント(または演出)自体は必要なのか
などなど、いろいろな観点でのアプローチができるかと思います。
こうしたことを考えながらデザインしていくのが面白くもあり、大変な作業でもあります。
不具合のチェック
不具合のチェックもかなり大変でした。
テストプレイで一通りプレイができることを確認したら、次は自分ではしないような行動をしてみます。
自分が作ったゲームだと最適なイベントの順序がわかっています。が、これをあえてはずしてプレイしてみるんですね。
キャラの行動も同じです。自分ではしないような行動をしてみます。すると、思いもよらなかったところで不具合がみつかることがあります。
また、イベント部分のテストプレイでは正常に動作していたものが、通しプレイだとうまく動作しない部分がみつかることもあります。
この作業は大変ですが、しっかりと確認すればするほど、不具合が発生する可能性を下げることができます。
誤字脱字のチェック
意外と大変なのが、誤字脱字のチェックです。
小説であれば、校正ツールを使うと作業が楽になりますが、ツクールに入力した文章は人間の目でチェックするしかありません。
これ、やってみるとわかるのですが、意外と見落としちゃうんですね。
自分では慎重に書いて、しっかりとチェックしたはずなのに、後日テストプレイをしてみると「なんでこんなところに……」という部分に誤字脱字があったりします。
この作業も時間がかかりますが、やればやっただけミスをなくすことができます。大変ですが、非常に重要な作業です。
ツクールMZの問題
つづいてはゲームを完成させるにあたって、ツクールMZで「これは問題かも……」と思ったことを書いてみます。
デフォルト素材の偏り
RPGツクールMZには、最初からマップチップや歩行グラフィック、音楽などの素材が多数入っています。
ですので、キャラクターやCGを自作しないのであれば、ツクールMZ本体だけでゲームを完成することができます。
私がゲームをつくるにあたって感じたのは、「素材が偏っているなあ……」ということです。特に感じたのは、マップ用の素材とモンスターのグラフィック。
たとえば、こちらはデフォルトで入っているマップの1つ。
一見すると、細かく描き込みされていて凝ったグラフィックにみえます。
が、ここでキャラを動かしてみると、全体に色がケバケバしている上に、非常に見づらいマップであることに気づきます。
マップ素材は自分で自由にパーツを組むことができますが、全体の印象は上の例とさほど変わらない気がします。
具体的には
- 色がどぎついものが多い
- 無駄に描き込みがされており、見づらいものが多い
- 装飾が多く、シンプルなものが少ない
といった点が気になりました。
どのパーツも、色や描写が前に出すぎているものが多いのですね。一歩ひいた色や描写が少ないので、全体的にどきつくみえる印象があります。
ですので、デフォルトの素材だけでマップを組もうとすると、癖が強い分、大変なところがあるかもしれません。
モンスターのチョイス
RPGツクールMZには、デフォルトでモンスターの素材も多数入っています。
様々なモンスターがいて楽しいのですが、使っていて感じたのは「わかりづらいキャラが多いなあ」ということです。
よく描き込まれてはいるのですが、ひと目で「あ、これは強そう」「これは弱そう」と感じられるキャラが少ないなあと思いました。
スライムのようなRPGによく出てきそうなモンスターもあまりいません。
デフォルトの素材にあれこれいうのもなんですが、もっとベタなモンスターばかりでよかったのになあと感じます。
ユニークなキャラは多いんですけどね。たとえばSF用の素材。
アーミーモンキー
アーミーゴリラ
よく描き込まれているんだけど、ゲームでは使いづらい……そんなキャラが多いように感じました。
保存に関して
これは私の作業環境によるものかもしれませんが、ゲームの制作中に何度かフリーズすることがありました。
いずれもイベントの制作時に発生したものです。具体的には
- イベントエディターでの作業時
- データベースでのコモンイベントでの作業時
に何度かフリーズが発生することがありました。
フリーズが起こった後はそのままツクールが強制終了してしまいます。
この現象が起こった場合、ツクールを再起動して、フリーズ前に保存した箇所からの作業再開となります。
この件に関しては、私の作業環境によるものなのか、ツクール側に何らかの原因があるのかはわかりません。バックアップをこまめにとることで対策しています。
まとめ
今回は、RPGツクールでゲームを完成させるのに大変だったことをお届けしました。
こうして書いてみると、どれも「たのしいけれど作業量が多い」ということばかりですね。「作業量は多いけれど、ゲーム作りはたのしい」ともいえますね。
たのしいという気持ちを忘れないこと。これが重要なのではないかと私は思います。
よかったら参考にしてみてください。