ボクシングの世界タイトルマッチをみていると、不思議に思うことがあります。
挑戦者をみると、世界ランキング9位だとか11位だとかランクの低い選手も多いんですよね。
さっそく調べてみたところ、面白いしくみになっているんですね。
ボクシングの世界ランキングとは
まずは、ボクシングの「世界ランキング」とはどんなものか解説していきます。
ざっくりいうと、こんなしくみになっています。
- タイトルに挑戦する優先順位のこと
- ランキングは定期的に更新される
- 順位は審議によって決まる
なんと、戦績や実力順ではなく「挑戦権の優先順位」です。
ちなみに、世界ランキングは、WBAやWBCなど各団体が各階級ごとに独自に決めています。つまり、団体の数だけランキングがあるということですね。
ランキングは15位ぐらいまでのところが多いのですが、これも団体ごとで決めることができます。
ちなみに、世界ランキングは挑戦者の優先順位なので、チャンピオンは順位に含まれません。が、タイトルを失うとランキングに戻ります
実力以外の要素もランキングに影響
さて、このランキングですが、審議によって決まるため、実力以外の要素も絡んでいるのでは・・・という声もあります。
特に、興行を多く打てるジムや人気選手は、団体を潤してくれる存在ですので、有利になる(タイトルマッチを行いやすくなる)ともいわれています。
なぜランキングが下位の選手でもタイトルに挑戦できるのか
さて、本題です。
ランキングが「挑戦権の優先順位」なら、なぜ1位や2位の選手をすっとばして、ランキング下位の選手が世界タイトルに挑戦できるのでしょう。
実はこれ、こんなしくみになっています。
チャンピオンは「指名試合」さえ行えば、あとは自由
それ以外の試合ではランキング下位の選手とも防衛線ができる
「指名試合」とは、チャンピオンに義務づけられている試合のことで、半年や1年などの決められた期間内に団体が指名した選手と戦わなければならないというものです。
たいていは、ランキング1位の選手が指名されます。
・・・が、指名試合さえ行えば、あとは自由なので、ランキング下位の選手を相手に防衛を重ねる、なんて方法もとれるわけですね。
だから、世界ランク9位とか11位とかの選手とよく対戦している印象があるんですね。
世界タイトルマッチの挑戦者はどう決まる?
さて、ボクシングのタイトルマッチですが、挑戦者は交渉によってきまります。
海外では、プロモーターの依頼を受けたマッチメイカーが交渉にあたりますが、日本ではジムがそれらを兼ねています。
なので、日本ではジムにどれだけ力があるかも大きなポイントといわれています。
指定試合でなければ、王者側は挑戦者を選べる立場なので、交渉も優位にすすめやすくなります。
が、タイトルマッチはドル箱の興行ですので、交渉には王者個人の意見だけではなく、所属ジムや興行主の意向も入ってくるといわれています。
こういったしくみなので、いわゆる「大人の事情」も入ってくることがあるわけですね。
まとめ
今回は、ボクシングの世界ランキングの決め方と、なぜランキング下位の選手が世界タイトルに挑戦できるかについてでした。
こうしたランキングの意味がわかってくると、試合をみるときも「その試合の意図」もわかってくる気がしますね。
こちらの記事もどうぞ