気になる作家のSNSをみたら幻滅してしまった……そんな経験がある方は多いかと思います。
そこで繰り広げられる発言の数々に幻滅、作品から受けるイメージとの違いに幻滅、「こんな考え方をする人だったのか」とがっかりして幻滅……などなど。
「作品と作者の人間性は別」という考え方もありますが、そう割り切って考えるのもなかなか難しいもの。
場合によっては、幻滅した思いが尾をひいて、以後、その作者の作品を純粋にたのしめなくなってしまうこともあったりします。
そこで今回は私が実際にやっている「好きな作家、気になる作家に幻滅しない方法」をお届けします。
「自分が知りたい情報は何か」を考えてみよう
「あ、この作品いいなあ」というものに出会ったとき、次のようなことを考える方が多いのではないかと思います。
- この作家の作品はほかにどんなものがあるのだろう
- 作品のこの部分はどう解釈したらいいんだろう
- どんな感想を持たれている作品なんだろう
- 新刊が出るのなら知りたい
こういった興味を持ったときに、「とりあえず作者のSNSをチェック(あるいはフォロー)してみよう」ということをすると、いきなり地雷を踏んでしまうことが多々あります。
そう、「SNSをみて幻滅した……」という事態に遭遇してしまうことが少なくないんですね。
そうなってしまった理由は実はシンプルです。その作家のSNSをみたことにより
- その作家の知りたくない面がみえてしまった(あるいは知りたくない面をみせられてしまった)
- その作家の言動などに対して「好ましくない」と感じる面がみえてしまった
- 好意を感じていたのに、それを裏切られるような思いをさせられてしまった
などの理由で幻滅するわけですから、要はその作家のSNSをみなければ防げた事態なんですね。
もう少し詳しくいうと、作品からの興味でとりあえず作家のSNSをみてみたところ、「自分にとって不要な情報や不利益をもたらす情報まで目に入ってしまった」ことで幻滅する破目になったんですね。
では、どうすればいいかというと、こちらも非常にシンプルです。
- 「自分が知りたい情報は何か」を考えて、それについて調べるようにする
このように考えると、知り方がみえてきます。
私の場合は、具体的には次のように調べています。今回は「本」を例にして話をすすめていきます。
その作家のほかの作品を知りたい
作者の紹介欄や巻末をチェックしてみよう
「いいなあ」と思う作品に出会ったときに、「この作家の本は、ほかにはどんなものがあるんだろう」と思う方は多いかと思います。
そう思ったときは、いきなりネットで検索するのではなく、もう1度その本をチェックしてみましょう。
すると、「作者の紹介欄」あるいは「巻末」に
- デビュー作や代表作
- その出版社からほかにも作品が出ている場合は、既刊の作品名
が掲載されていることが多くあります。
ここで「ほかに手がけた作品」の一部をチェックできるわけですね。
おまけに「作者の紹介欄」には、シンプルではありますが作者の略歴が載っています。
本の販売サイトで検索する
ネットで「気になる作家がほかに手がけた作品」を探す時は、Googleなどの検索エンジンやSNSを使うのではなく、本を扱うショップで検索すると、余計な情報が目に入りにくくなり、スムーズです。
たとえばAmazonでしたら、この部分を使います。
その作家の本のページで「作家名」をクリックすると、その作家の本がずらっと表示されるんですね。
Amazon以外でも、こうしたシステムを持っている本の販売サイトは多数ありますので、自分が「使いやすいな」と思うところを使うとよいかと思います。
「読書メーター」や「ブクログ」などのサイトや、図書館を利用する方でしたら、その図書館のサイトで蔵書検索を使ってみるのもよい方法かと思います。
作家名だけで検索しない
検索エンジンを使う際に、作家名だけで検索しないことも、実は大きなポイントだったりします。
なぜなら作家名だけで検索すると、特に今のGoogleは顕著ですが、作家のSNSに幻滅する原因として挙げた「自分にとって不要な情報や不利益をもたらす情報」になる可能性があるものばかりが検索上位にあがってきて、それらが目に入る確率がグッと上がってしまうんですね。
たとえば、
- 作家本人のSNS
- おすすめ〇選など、実際に読んでもいないのにランキングをつけているサイト
- その作家に関するニュース
- キュレーションサイト
などなど。
いずれも「今、自分がほしい情報」を得るのに最適の方法ではないと思いますので、「とりあえずみてみよう」考えるのではなく、慎重に判断をする必要があると思います。
作品の解釈
作品の解釈をネットで調べる際も、検索の仕方を考えます。
作品の感想を片っ端から検索するのも手ですが、「作品名 解釈」で検索する、あるいはキーワードに「該当するシーン」を組み合わせて検索すると、絞り込みがしやすくなります。
……が、このところ、Googleは検索結果が非常に偏っているように感じますので、Googleで時間をかけて検索するより、複数の検索エンジンを併用したほうがスムーズにすすむことがあります。
作品の感想を知りたいときは
本の感想を知りたいときは、SNSで探すのではなく、作品の感想を書いているサイトをみるようにします。
たとえば
- Amazonなど本の販売サイトに掲載されているレビュー
- 読書メーターやブクログなど、読者の感想が集まっているサイト
- 個人で本の感想を書いているサイト
などですね。
この場合に注意したいのは、サイトによって掲載されている感想に傾向があるという点です。
「このサイトは満足した人が多く書くのかな」「このサイトは厳しいこともかなり書いているな」など、サイトによってけっこう違いがあったりします。
また、検索エンジンで「作品名 感想」するときは、Googleだけで検索するのではなく、ほかの検索エンジンと併用して検索するほうが、いろいろな感想に出会えます。
なぜかGoogleでまったくヒットしない、有用な感想が書かれたサイトに出会えることが多々ありますので、おすすめです。
新刊情報を知るには
新刊の情報を知りたいときは、本の販売サイトを利用すると便利です。
たとえばAmazonでしたら著者をフォローしておくと、新刊が出る場合はAmazonからお知らせのメールがきます。他の販売サイトでも同様の機能を備えているところがあります。
この方法の便利なところは、待っているだけで新刊情報が届くという点。「いつくるかわからない情報のために作家のSNSをチェックし続ける」ことをしなくてもいいわけですね。
新刊情報をメールで待つことは、SNSに比べたら速報性には劣るかもしれませんが、そもそも本というものは発売されなければ、私たち一般の読者の手には入らないものですからね。
予告自体を速く知るかどうかは、一般の読者にとってはそれほど大きな問題ではないように思います。
作家のなんでもかんでもを知る必要はない
私は本を読むのが好きで、好きな作家もたくさんいますが、「その作家について何から何まで知りたい」とは思ったことはありません。
「作家は、作品で語るもの」という考え方が好きなので、その作家自身についての情報は最低限でよいと考えています。
作家の情報に関しては、本の「作者の紹介欄」に載っている内容だけで十分と考えており、それ以上のことを知りたい場合は、「作品を読んで想像する、考える」ぐらいでいいんじゃないかなあと思っています。
SNSは情報を得るのに便利なツールといわれますが、「知りたい情報を得るために、知らなくてもいい情報が大量に目に入ってくる」ツールでもあると思います。
今回は、私なりの方法ではありますが、「好きな作家、気になる作家に幻滅しない方法」をお届けしました。よかったら参考にしてみてください。