「プロが教える!CLIP STUDIO PAINT PROの教科書」を買ってみました。
中身を見ずに買ったのですが、非常に内容が濃く、とてもいい本だったので紹介します。タイトルに偽りはなく、まさに教科書といっていい1冊だと思います。
というわけで今回は、「プロが教える!CLIP STUDIO PAINT PROの教科書(isuZu著)」の感想とレビューをお届けします。
プロが教える!CLIP STUDIO PAINT PROの教科書
「プロが教える!CLIP STUDIO PAINT PROの教科書」は、カードゲームなどのイラストを手がけているイラストレーター、isuZu(うずし)さんによる1冊です。
クリスタの数ある機能の中から「この機能をおさえておけばOK」というものに重点を置いて、非常に濃い解説が展開されています。
いずれも実践的なものばかりで、確かにこれだけ知っておけばまず困ることはないという感じ。読んでおいて損のない1冊かと思います。
本の構成
構成としては、CLIP STUDIO PROの機能解説に180ページほど、メイキング(3例)に70ページほどが割かれています。
機能解説には次のような内容が掲載されています。
- CLIP STUDIO PAINTの基本
- 「下描き」レイヤーと描画の基本
- 「線画」ブラシの基本と選択範囲
- 「下塗り」色の選択と塗りつぶし
- 「本塗り」各種ブラシと色塗りツール
- 便利な機能を使いこなす
どの項目も実例を挙げながら丁寧に解説されています。
各ページの流れ
メイキング以外の部分は、PCの教則本にあるようなイラストが多く使われています。
私も最初は面食らったのですが、読み進めていくとこれはこれでアリ。絵がシンプルなので、機能の効果がとてもわかりやすいです。
また、随所に「MEMO」という形で、知っておくと便利なことが書かれています(画像では赤ラベルのついた部分)。これが尋常でない充実っぷりで、読んでいると非常に面白いです。
よく使われる機能や効果も詳しく解説されています。この本の便利なのは、「似たようにみえる機能」の違いや使い分け方がきっちりと書かれていること。
読んでいると、今まで「なんとなくそう思っていた」という部分が、解消されていくことを実感できます。
メイキング
メイキング(3例)は70ページほどあります。人物×1、風景×2という構成になっています。
人物は、表紙のキャラクターのメイキングです。アイデア出しから仕上げまで書かれています。
メイキングで使われているのは、本の中で紹介された機能がメイン。おかげで「こうやって使うのか!」がよくわかります。
風景は「線画を使わずに描く風景」と「パース定規を使って描く風景」のメイキングが掲載されています。いずれも細かく解説されており、かなりの密度になっています。
実際に読んだ感想
最初は「中身を見てから」と思ったのですが、近隣の書店になかったため、Kindle版を買いました。
中を見るまで不安でしたが、買ってよかったと思います。すごい密度です、この本。
よかったところ
買う前は「この機能をおさえておけばお絵描きができる」という文言をみて、「中身がスカスカだったらどうしよう」と思ったのですが、まったく逆でした。すごく濃いです。
どの機能も一歩先まで踏み込んだ解説になっているので、読んでいて非常に面白いです。
特によかったのが、随所に挿入される「MEMO」。応用方法や考え方、アドバイス的なものが書かれていて、非常に勉強になります。
メイキングもいい感じ。特に人物は、それまでの解説を生かした形になっているので、機能の使いどころがわかりやすいです。
使っている技法は、絵柄に関係なく使えそうなものばかりなのもいいですね。
辞書的な1冊として、常に手元に置いておきたい本だと感じています。
気になったところ
内容が濃い反面、やや詰め込みすぎな印象もあります。
情報が多すぎてページがごちゃごちゃして見える部分があり、全体に読みづらい感じがあります。
また、一度解説したことは繰り返さないので、ページを行ったり来たりしながら読む必要があります。
参照ページは書かれていますが、私のようにクリスタを使い始めたばかりという方は、ページの行き来が少し大変かも。
内容の濃さは間違いないのですが、もう少し読みやすかったらなあと感じました。
Kindle版の注意点
Kindle版は、固定レイアウト(本をそのまま取り込んだもの)になっています。ですので、マーカーをひいたりはできません。
目次はこんな感じ。
各項目の見出しがそのまま目次になっています。
ただ、この本は「○ページを参照」という部分が多いので、目次よりも、ページ数で移動できるスライダーのほうが便利です。
Fireタブレットの場合、画面の中央をタップするとスライダーが出てきます。
私はFire HD8で読んでいるのですが、文字も画像もやや小さめ。そのままでも読めないことはありませんが、絵は拡大したほうがみやすいです。
どんな人に向いているか
初心者向けの内容ではありますが、CLIP STUDIO PAINT PROを全く触ったことのない方が最初に買うのはちょっと厳しいかも。
機能解説は、順を追って理解していく構成ではなく、辞書みたいな感じです。
調べたいことが決まっている場合はいいのですが、「はじめてクリスタを使うけど、とりあえず最初に何をして、次に何をしたらいいんだろう」という方には、厳しいかも。
逆に、クリスタの操作がそこそこ分かってきたところで読むと、かなりの良書だと思います。少々読みづらい部分はありますが、各操作・機能の理解が一気に深まります。
塗りについてはメイキングが3つ掲載されていますが、応用すればかなりの場面で使えそう。どれも違うタイプ塗り方をしていて、ポイントも細かく説明されています。
\ まだまだあります /
まとめ
気になる点も書きましたが、非常に内容の濃い1冊で、買ってよかったと思います。
今回は「プロが教える!CLIP STUDIO PAINT PROの教科書」の感想とレビューでした。興味のある方はぜひ参考にしてみてくださいね。