ここ数年、液晶タブレットを使ってイラストを描いていましたが、先月から板タブレットに完全移行しました。
板タブから液タブに移行する方は多いかと思いますが、その逆はわりとめずらしいかも。
最初は液タブとの違いにずいぶんと戸惑いましたが、慣れてしまえば問題なし。
長時間の作業も苦になりませんし、快適な状態で絵を描くことができています。
ちなみに今使っている板タブはこちら。
安価な板タブですが、軽いし、かさばらないし、とにかく描きやすい。特に大きな不満もなく使えているので「これで十分じゃん」と感じています。
というわけで今回は板タブレットに完全移行したことについて書いていきます。
私のタブレット歴
今回、液晶タブレットから板タブレットに完全移行しましたが、私のこれまでのタブレット使用歴はこんな感じ。
- 最初は板タブレットを購入
- ……が、手元をみずに描くという感覚に慣れることができず、速攻で挫折。
- 懲りずにまた板タブレットを買うが、やはり速攻で挫折。
- 液晶タブレットを購入
- あまりの描きやすさに感動し、使い続ける
「板タブを速攻で挫折」を繰り返したあとに、液タブにという流れできています。
ですので、板タブレットに関しては、まったくの初心者みたいなものかも?
では、なぜ使いやすいと感じていた液晶タブレットから、板タブレットに完全移行することにしたのかというと、次のような理由からです。
板タブレットに移行した理由
私が液タブから板タブに完全移行しようと思った大きな理由の1つが、身体への負担です。
液タブはとても描きやすくて気に入っているのですが、私の場合は、次のようなデメリットがありました。
- 長時間、下を向いて描き続けるため、肩や首がとにかくつらい
- 至近距離で画面を見続けるため、目への負担が大きい
肩こり・首のこりに悩まされることはしょっちゅうで、ひどいときは頭が痛くなったり、めまいに悩まされたりしたこともありました。
幸い、「1」の問題についてはタブレットスタンドを導入することで解消できたのですが、どうにもならなかったのは「2」の問題。
液タブは「画面に直接描く」しくみなので、どうしても目と画面との距離が近くなりやすいんですよね。液タブを立てて使っても、その点は変わりません。
つまり、目のつらさは変わらないんですね。
「この先もこんな感じでずっと、目に負担をかけ続けるのはよくないかも……」
ある時からそう感じるようになって、板タブへの移行を考えるようになりました。
板タブレットに完全移行するまで
そうして考え始めた液晶タブレットから板タブレットへの完全移行ですが、思った以上にスムーズに移行することができました。
板タブレットの難しさは「手元を見ずに、PCの画面をみながら描く」という点だと思います。
過去に私が板タブに速攻で挫折した理由もこれで、独特の感覚になかなか慣れなかったんですね。
……が、今回スムーズに板タブに移行できたのは、この「独特の感覚」という点に気づいたのが大きかったと思います。
液タブやアナログの感覚と比較しない
「手元を見ずに、PCの画面をみながら描く」という板タブの描画方法は、液晶タブレットやアナログで絵を描くのとはずいぶんと感覚が違います。
つまり、液タブやアナログと同じではない、いうなれば「別モノ」なんですね。
ですので、板タブに慣れようと思ったら、液タブやアナログで絵を描く感覚と比較しない。
つまり、
- 液タブやアナログだったらもっと直感的に描けるのに
- 液タブやアナログだったらもっと線がひきやすいのに
- 液タブやアナログだったらもっと速いのに
みたいな感じで、比較して考えないということです。
そもそも「液タブやアナログ」と「板タブ」では、絵を描くしくみが根本的に違うんですよね。
「画面や紙などに直接描く」のと、「手元をみずに画面をみながら描く」のとでは、描き方が大きく違うのですから、どれだけ頑張ったって、同じような感覚で描けるわけがないんですね。
じゃあ、どうしたらいいか。
- 液タブやアナログのことは忘れて、「板タブレット」というツールでの描き方を覚えていく
たとえば、線を描いている時に曲がってしまったら「失敗した!」と思うのではなく、「なるほど、こう描くと曲がってしまうのか。じゃあ、どうやったらまっすぐに描けるのかな?」といった感じで考えるんですね。
このようなことを繰り返していくと、次第に「板タブレット」というツールでの描き方に慣れてきます。
ペンに対する考え方
板タブレットで描く感覚がいまいちつかめないときは、ペンに対する考え方を変えるのもよい手かと思います。
- 板タブレットのペンは普通のペンではなく、「ペンの形をしたマウス」と考える。
このように考えると、狙ったところにポインタをもっていきやすくなり、線のコントロールもしやすくなります。
ふだんのラクガキにも板タブを使う
私はもともとアナログで絵を描いていたので、ふだんは紙のクロッキー帳にラクガキをしたりしています。
……が、板タブレットに移行することを決めてからは、そうしたラクガキもすべて板タブレットで行うようにしました。
個人的にこの方法はとても効果があったと思います。
ラクガキですので気楽に描けますし、うまく描けなくても「ラクガキだからOK!」という感覚でたのしみながら、板タブレットでの描き方に慣れていくことができます。
本番の絵を板タブだけで仕上げてみる
個人的にこの方法もとても効果があったと思います。
板タブレットの使い方に慣れていなくてもいいので、とにかく本番の絵を板タブだけで仕上げてみる方法です。
最初は時間がかかるかもしれませんが、やはり本番の絵を仕上げることは大きな経験になります。
何よりも「自分の絵」なので、自分の絵を描く時に必要な「板タブでの描き方」を覚えていくことができます。
「板タブ1本でいく」と決める
こうして、おおよそ慣れてきたところで板タブに完全移行することを決めました。
過去の挫折をのぞいて、本格的に板タブを触り始めてからだいたい2か月半ほどで完全移行する運びとなりました。
過去に速攻で挫折した板タブへの移行ということもあって、最初は不安もありましたが、やってみれば意外と何とかなるもの。
特に「液タブやアナログで絵を描く」のと「板タブで絵を描く」のは別モノと考えて、あらたな気持ちで取り組むことができたのがよかったのではと思います。
記事で使用したツール
今回の記事で使用したツールは次の通りです。
【XPPen ペンタブレット Deco M】
今回は、液晶タブレットから板タブレットに完全移行したことについてお届けしました。興味のある方はよかったら参考にしてみてください。